福岡県弁護士会会長退任のご報告
さて、私こと、福岡県弁護士会の平成30年度の会長として、昨年4月1日から執務を行ってまいりましたが、本年3月31日、任期満了により退任いたしました。在任中は、公私にわたり一方ならぬご厚情を賜りまして、ありがとうございました。
平成30年度の活動において、福岡県弁護士会は、市民の皆さまから気軽に弁護士・弁護士会を利用して貰えるように、無料法律相談の実施などに力を入れて、寄り添う気持ちを大切にしながら権利擁護活動を行ってまいりました。一例をご紹介いたします。
平成30年7月豪雨災害に際しては、被災者の方の復興支援のため、法律相談センターでの豪雨災害に関する法律相談を無料とし、紛争解決センターでの災害ADR(裁判外紛争解決手続)の申込手数料を無料としました。また、今後、災害が発生したときに無料法律相談を実施するため、福岡県と福岡市との間で、法律相談事業に関する協定を締結しました。
他方、LGBT等性的マイノリティの方への支援として、無料電話相談を実施し、離婚された方などのひとり親への養育費請求等への支援として、無料電話相談(養育費110番)と、法律相談センターでの無料相談を実施しました。他にも、毎月、法律セミナーなどを実施してまいりました。
福岡県弁護士会の旧会館は、昭和44年の建築のため老朽化が進み、会員数の増加によって手狭にもなっておりました。そこで、六本松の九州大学教養部跡地に土地を取得し新しい会館を建築いたしました。
新会館は、本年1月15日に竣工し、2月18日から業務を開始しております。4階建てで、約4000平方メートルの床面積は旧会館の約5倍の広さがあり、1階には法律相談室を6室、2階には着席で270名を収容できる大ホールを備えています。新会館が、福岡県弁護士会の権利擁護活動のための新しい活動拠点となります。
新会館のオープンを記念して、本年3月24日には、市民向けのイベントを開催しました。「謎解き」ゲームや大ホールでの対談、講演、パネルディスカッション、映画上映などを行い、延べ人数で1000名を超える市民の皆さまにご来場いただきました。
最後に、1年間を顧みましても、十分な活動ができたとは言えませんが、多くの機会に皆さまからご支援をいただいたことに対しまして、改めて感謝申し上げます。
これからは、弁護士としての通常の業務に専念いたし、依頼者の皆さまのために、誠心誠意努めてまいりたいと存じます。引き続き倍旧のご支援を賜りますようお願い申し上げます。
弁護士 上 田 英 友